三田清四郎は友人無し、顔も中の下、特技も無し、日々を怠惰に生きる高校生だった。カーストにすら入れない一匹狼気取りのボッチな彼は、ある夜、夢の中で悪魔に『見えない銃』を貰う。
右手を銃の形にして狙いを定め、発砲音を口にすれば、誰でも
、どこに居ようと撃ち殺せてしまう能力に、エナドリを飲み過ぎだ幻影か妄想だと思いつつも、朝の騒がしい教室でクラスカーストトップの男子、藤原拓哉に向けて試してみると、彼は本当に頭部を撃ち抜かれ死んでしまった。
本当にそんな事になるのかと思いながらも、罪悪感を感じたかと思えばそうではなく、ただ殺した事実、死んだと言う事実を受け入れた三田は、次いでテレビに映った裁判中の被告に向けて試せば、速報で射殺された事が流れてしまう。
何故、こんな能力を悪魔が与えたかも分からない。かと言って、何かを為す為にこの力を使う気も、好き勝手に快楽殺人を起こす気力も無い三田だったが、人を殺しておきながら全く罪悪感を感じていない自分に驚いてしまう。
分不相応、持て余して仕方がない能力、されど手放す事もできず、かと言って悩むことでもないと思っている自分の無関心に嫌悪しながらも、興味が湧いてしまう自らに狼狽えながらも、三田はまた人に銃口を向けるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-28 21:00:00
8424文字
会話率:29%
前島三春は孤独を愛する……わけではないけれど、ワケあって一匹狼を気取る女子高生だ。友達なんかできない。できたとしても、うまくいくわけない。それならば初めから友達なんて作らない方が合理的じゃないか。案外一匹狼気取りの生活は気楽だし、美味しいお
菓子があれば他は何にもいらない。放課後に公園で一人、お菓子を食べてから帰るのが三春の日常だった。
そう思っていた三春の生活は、一人(?)のおばけと出会ったことから一変してしまう。
えっなに、おばけじゃない?いや、どっからどう見てもおばけだよあんた。えっなに、その菓子はうまい?ひとつよこせ?もうこのおばけうるさい!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-16 23:08:16
94991文字
会話率:40%
楽しむ心を忘れてしまった少年がいた。幼馴染を昔みたいに元に戻そうと奮闘する少女がいた。すれ違いズレる二人をつなぐキッカケになったのは、カブトムシだった。
最終更新:2008-08-24 10:00:56
8382文字
会話率:27%