ーーー1868年、パリの郊外。
雨音とは別に響く熱い音にエドマは唇を噛みしめる。
腕を振るたびに、乾いた音がする。
心も身体も、震えるほど冷え切っているのに。
掌だけが、燃えるように熱い。
蓋をしていた想いを暴いた婚約者・アドルフ
は普段の軽い口調とうって変わった低い声でエドマの手を止めた。
もうこれ以上は。
貴女の手が傷んでしまう、と。
マネ、ルノワールと同じ時代を生き、フランス画壇の華であったベルト・モリゾと並び立つ姉、エドマ・モリゾは突如、絵筆を折った。
結婚はしない、私はずっと絵を描いていく、と周囲に言っていたエドマ。
その心が変化していった真相とは。
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(c) なななん 2018折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-06 07:20:31
103208文字
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母親はゆりかごを眺めていた。
柔らかな表情の中に見え隠れする、想い。
表現とは、知らず知らずの内に本人の心を描き留めてしまう。
この絵はどちらの心を写したのでしょうか。
あなた自身の目で、確かめてみて下さい。
*この作品は檸檬絵郎さまの
企画「アートの借景」参加作品です。
*この作品はX Iさまの企画「私はがんばった」企画参加作品です。
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著者:なななん折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-03 21:34:26
4293文字
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