ーーー1868年、パリの郊外。
雨音とは別に響く熱い音にエドマは唇を噛みしめる。
腕を振るたびに、乾いた音がする。
心も身体も、震えるほど冷え切っているのに。
掌だけが、燃えるように熱い。
蓋をしていた想いを暴いた婚約者・アドルフ
は普段の軽い口調とうって変わった低い声でエドマの手を止めた。
もうこれ以上は。
貴女の手が傷んでしまう、と。
マネ、ルノワールと同じ時代を生き、フランス画壇の華であったベルト・モリゾと並び立つ姉、エドマ・モリゾは突如、絵筆を折った。
結婚はしない、私はずっと絵を描いていく、と周囲に言っていたエドマ。
その心が変化していった真相とは。
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(c) なななん 2018折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-06 07:20:31
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主人公・神海 和音(こうみ かずね)はエスカレーター式の名門音楽学校・橘学園に通う高校一年生。
母はピアニスト、父はマエストロの音楽一家に生まれ育つが、音楽の才能は何故か壊滅的だった。
当然名門音楽学校である橘学園は入学を拒否するが、両親の
"コネ"で入学を許可された。
そんな和音は毎日が億劫で、学園の生活に日々飽き飽きしていたが、ある日隣町とを結ぶ橋の袂で1人の少年と出会う。
そこから和音の運命は大きく変わっていくこととなった…。
※ただ今別サイトでベースとなりました作品を連載中であります。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2014-10-05 21:08:47
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