畠山恭介は冴えない見習騎手である。
同期には差をつけられ、後輩からの追い上げも厳しい中、騎手生活にしがみついていた。
ある日、飲み会の河岸を変える道すがら通り魔と出くわし、刺されてしまう。
死を覚悟した恭介だが、幸いにも一命を
とりとめ、ベッドの上で目を覚ました。
しかしそこは病院ではなくスピレッタ調教場という外厩施設だった。
なぜ外厩にいるかを訊いてくうちに、恭介は異世界フォルアースの大国、マルスク王国に飛ばされたことを知る。
この世界は地球とはあまり文明の差がないものの、決定的な違いが二つあった。
一つは、魔法がインフラの一部を担う文明であること。
そしてもう一つは、天翔ける馬――ペガサスの競馬が存在することだった。
窮状に晒されたスピレッタ調教場の事情を聞くにつれ、恭介は地上と空を駆ける競馬に挑む決意をする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-23 18:41:54
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