アウストラル王国の三の姫であるギュゼルに仕える女騎士、ルべリアは身体を震わせた。目の前には“魔王子”と囁かれる第二王子、アウグストがおり、ルべリアを腕で作った檻に閉じ込めているのだ。
「さあ、どうする? 己の主人のために、その命と純潔以
外の全てを私に捧げられるか?」
「わたしは……」
はい、と答えるしかなかった。ギュゼル様の為なら命さえ惜しくはない。
「では、その唇は今から私のものだ」
吐息を漏らすようにそう言うと、アウグストは宣言通りにルべリアの薔薇のような唇を蹂躙した。
※このお話は「おバカで真っ直ぐなイケメン女騎士ルべリアが、厄介な王子様たちに翻弄されながらも愛しのお姫様を守るために頑張る、近世初期のヨーロッパ風世界でお城と魔法使いと毒薬と陰謀がキーワードの恋愛?物語」です。なかなか主人公たちが出会わないという、ゆっくり展開につき…ごめんなさい。
※本編完結しました。挿絵がある回に★印をつけることにしました。カラーイラストページへは上部のシリーズリンクから跳んで下さい。
※改稿作業に入ります。本筋は変わりませんが序盤の描写が前後する可能性があります。ご迷惑をおかけします。2016.10.08
※同じ王国を舞台に新連載始めました。『宿命の星~したたかに見えてポンコツなお嬢様とやる気のないチャラい騎士のおはなし~』です、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-29 19:02:21
333013文字
会話率:56%