耳がぎざぎざに刻まれるような蝉の声。
窒息しそうな熱い空気。
キィ、となる車椅子の音。
急いで机の上にあったウィリアム・フォークナーの『八月の光』を鞄に詰めた。アメリカ小説の授業だったかどうかは、気にしてはいけない。眠る前までは、教授の話を
BGMに読もうと思っていたのだ。タイトルをちらりと見て、ああ明日からは八月か、と思う。七月三十一日の光は、少し色味を増して僕たちに降り注いでいた。(本文抜粋)
ある大学の文学部に所属する高槻涼(タカツキリョウ)は、ある日突然コンタクトや眼鏡をつけると「輪郭」しか見えなくなった。奇妙な視界を隠しつつ、幼馴染である車椅子の少女サヤと停滞した日々を送る中、ある日長身の少女と出会う。
彼女と接するうち、彼は現実味のない、しかし「現実」の真実と出会う。
奇妙な視界の意味は? 「現実」とは何か?
ある大学生の、ある夏休みの、出来事。
率直なご意見をぜひ!お待ちしております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-26 21:51:48
10896文字
会話率:3%
彼と彼女の日常に『名探偵指南書』という本がある風景。
最初から最後まで、いちゃついているだけともいえる。
最終更新:2013-08-06 20:00:00
3457文字
会話率:50%
9月16日に誕生日を迎えるピアニストのマリリン。彼女はピアノの練習に使うメトロノームが欲しかったが、まだ、駆け出しのピアニストのマリリンにとって、当時まだ貴重品で高価だったメトロノームに手が出なかった。
だが、誕生日に恩師であるピアノの先生
から高級メトロノームをプレゼントされる。マリリンはとても喜んだが、なんと恋人の時計職人のスチワートからも手作りのメトロノームをもらう。
2台のメトロノームと恋の行方は?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-12 18:00:00
2204文字
会話率:48%