物心ついたときには、もう手遅れだった。
一度持った、持ってしまったこの違和感を、忘れることなんてできなくて。
仲間を募った。大人には『馬鹿げている』と一蹴されてきたこの違和感を受け入れてくれた仲間たち。
話し合った。この
違和感を。抜けだす者は、いなかった。
話し合いが終わった。違和感は、跡形もなく消え去った。
目指すべき夢ができた。『馬鹿げた夢だ』と笑いあった。
笑って笑って笑い続けて、誰かが泣いた。
手を取り合って|皆《みな》泣いた。慰め合って、大泣きした。
震える足を押さえつけて、立ち上がった。十分泣いた。一生分だ。
誓いを立てた。壊れぬために、違えぬために。
覚悟は決まった。
『人類を、わが手に』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-24 20:07:39
271文字
会話率:0%
「異世界? そんなもん、あるわけねえだろ」
会社勤めの底辺趣味作家・来栖は実家へ帰省する途中、見知らぬ森へ迷い込む。
日常から外れたその景色に困惑する彼のスマートフォンに、謎の人物から着信が入る。
電話の男は告げる。
“そこは異世界な
どではない。お前の脳内の空想の世界だ”と。
やがて自らが考えた空想世界が来栖に牙を剥く。
その度に彼は嘆くのだ。
「誰だ! こんなクソ設定を考えたのは!」
現実への帰還を目指し奔走する来栖。
空想の旅の果てに彼が見るものとは……。
--来栖の書いた作品メモ--
『ナイツオブサイドニア』
中世ヨーロッパ風のファンタジーな世界観。
騎士や魔術師が活躍する。
舞台はマリネリス大陸。
『この森が生まれた朝に』
東南アジアのジャングル的、牧歌的世界観。
独自の術を操る呪術師が登場する。
舞台はプレアデス諸島。
『機械仕掛けの女神』
核戦争によって滅んだ後の退廃的世界観。
銃やアンドロイドなどの機械兵器が登場する。
舞台はルサールカ人工島。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-15 00:09:45
1241523文字
会話率:38%
現実はかくも残酷である。非日常が当たり前の異世界に転移した知衣は、ある日憔悴しきった少年を拾う。しかしこの少年、なにかに追われているようでーー?***なんちゃって転移もの。ご都合主義ですがあしからず。
最終更新:2016-12-02 13:44:33
3064文字
会話率:43%