物心ついたときには、もう手遅れだった。
一度持った、持ってしまったこの違和感を、忘れることなんてできなくて。
仲間を募った。大人には『馬鹿げている』と一蹴されてきたこの違和感を受け入れてくれた仲間たち。
話し合った。この
違和感を。抜けだす者は、いなかった。
話し合いが終わった。違和感は、跡形もなく消え去った。
目指すべき夢ができた。『馬鹿げた夢だ』と笑いあった。
笑って笑って笑い続けて、誰かが泣いた。
手を取り合って|皆《みな》泣いた。慰め合って、大泣きした。
震える足を押さえつけて、立ち上がった。十分泣いた。一生分だ。
誓いを立てた。壊れぬために、違えぬために。
覚悟は決まった。
『人類を、わが手に』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-24 20:07:39
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