かつての上司が送ってきた1通のメール。
そこには、年老いた彼の母の願い--かつて彼女が住んだ上海の街を死ぬ前にもう一度見たい--をかなえてあげたいと綴ってあった。
僕は、75年前の写真と古い地図だけを手掛かりに、思い出の地を探しはじめ、やが
て上海人の何静(しずか)と出会った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-03 20:18:13
3141文字
会話率:5%
大海に揺れる船の上…深きとばりに覆われた中で。
最終更新:2016-06-20 22:08:12
294文字
会話率:0%
経済破綻から復活することのできなかった日本は国力を消耗させ、国を二分する内乱が発生するに至って、その荒廃は極みに達した。
しかし、他国によって強制的に借り上げられた横浜は戦火を免れ、世界有数の経済都市へと発展していた。
国際的な金融都市であ
るが故の奔放な活力と深い闇は、横浜を世界で最も絢爛たる魔都に変貌させ、その怪しい輝きに魅入られた成功者、あるいは敗残者を誘蛾灯のように吸い寄せる。
街にあふれる難民にあがめられる聖者と、夜の女王は不可思議な縁によって引き寄せられてゆくのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-10 00:00:00
184153文字
会話率:39%
1930年代、アジアの大都市となった上海に、都市伝説のように伝えられる「蘇州美人」の怪奇譚。
それは、フランス租界にある「大世界(ダスカ)」を舞台に広まっていた。
大世界。白い双翼を広げた白鳥のように瀟洒な妖しさを放つ、上海が誇る巨大な遊戯
場。ジャズ倶楽部、ギャンブル、アヘン、芝居小屋に見世物小屋と夜ごとに享楽を提供していた。
「蘇州美人」の虜となった男たちはやがて精神を病み、首を括って自死する。そして、大世界に魅せられた一人の日本人女性も、また妖しいネオンの向こうに消える。
(※FC2小説、および自サイトでも連載しています。)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-06-11 20:39:12
9961文字
会話率:18%