「……町長が、直々に話を持ってきたのだ。エミル。お前に……竜の一族に、嫁入りするように、と」
かつて鬼と人が争っていたオーガスト聖国。
その小さな町の片隅に、鬼の末裔であるオーガスト家は暮らしていた。中でも、鬼の先祖返りであり強い力を
持つ少女エミルは、その長身と特徴的な赤い髪もあって人々に石を投げられるような毎日。味方をしてくれるのはいつだって、両親と血を分けた弟カミルのみであった。
そんなエミルが十六歳の時、隣国の竜の一族への政略結婚の話が持ち上がる。北の大国に対抗する目的と、町長が体よくエミルを町から追い出す口実を作るためだった。
家族のため、己でも誰かに役立てる存在だと信じるため、エミルは政略結婚を受け入れる決意をする。
しかし悲壮な決意とは真逆に、嫁いだドラゴニスト家で待っていたのは優しい花婿と温かい家族で……。エミルは徐々に夫、オスカーを心から愛するようになる。
鬼の花嫁、エミルは知らなかった。
竜の王子オスカーの秘密と、その悲しい運命を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-14 19:00:00
105059文字
会話率:41%
自分の城から追い出され、シモンズ食堂に居候することになったスペンサー国王ウィルフレッド。
実はシモンズ食堂は国一番の探り屋が店主、腕利きの探り屋見習いが看板娘を勤める情報収集に優れた場所だった。
看板娘の意外な姿に惹かれていくウィル
フレッドは恋愛ポンコツを返上できるのか⁉
近世ナーロッパ風味のラブコメ。
個人的には「恋愛ポンコツ同士の純愛にほんのりハード・ボイルドを振りかけて」かしらとも思っております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-03 12:00:00
35849文字
会話率:45%
精霊と契約し、親しくなり『お願い』する事で魔法を使う世界。
生きるためにも魔法を使うにも『マナ』が必要で、それは命の多いところへと集まりやすく偏ってしまう世界でもあります。
そのマナを攪拌してならすことを役割にする『石の一族』の一人と、その
旅路にを共にする二人(人間と異種族)の話。
彼等の旅路は、ただのんびりとした漫遊のはずでした。が……
三人とも、規格外だったり魔法の種類が尖っていたりする以外は、どこにでも居る青年達です。
一章・二章
石の一族の一人カロンと、龍人のオルフェ、『先見』の魔法が使える人間のプシュケイ。
この三人が出会い、旅を始めるまでのお話。
三章
龍人の里で三人は合流し旅立ちます。が、最初にたどり着いた町で近くの村で発生している季狂い実りが頻発するという奇妙な現象の調査の依頼を受けます。
世界設定等が気になる方は、タイトルの上にあるシリーズリンクから、たどってください折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-06 22:00:00
138131文字
会話率:46%