その日、太刀洗絢人(たちあらい けんと)はバイト先にほど近い駅裏の公園で、同級生の黒森紗矢(くろもり さや)を見かけた。
そこで、何者かに襲われた。
もつれ込むように倒れるふたり。「逃げなさい!」と言われ驚いて彼女を見ると脇腹を切り裂か
れている。普段あまり接点のない彼女だが、それでも一緒に襲われたのにひとり逃げるわけにはいかない。だが立ち上がったふたりは無数の竜牙兵に囲まれていた。
なんで現代日本にこんなファンタジックなモンスターが!?と驚く間もなく、彼女は両手から光の矢を無数に生み出し次々と竜牙兵を打ち倒してゆく。
その光景が信じられなくて、呆然と立ち尽くす彼に向かって、彼女はポツリと言った。
「貴方がさっさと逃げないからこうなったのよ」と━━。
前世紀末、世界に突如現れた“魔術師”たち。それからおよそ20年、世界は魔術と魔術師の影に怯えながらも表向きは平穏に時を重ねていた。
現れてから数年で“現代の魔女狩り”が起こって姿を隠した魔術師たち。彼らは科学技術では対抗できない圧倒的な魔術を操る以外に一般の人々と見分けがつかないため、人々は隣の誰かが魔術師であるかも知れないことに疑心暗鬼を抱いていたが確かめる術がない。
そんな中、絢人は同級生の紗矢が人々を恐怖に陥れるとされる魔術師だったことを知った。そのことに驚く間もなく突如現れた白銀の甲冑をまとったひとりの金髪美女。ありえないことに、彼女は自ら名乗ったのだ。ジャンヌ・ダルクだと!
そして自称“ジャンヌ”は高らかに宣言する。「ここに、魔道戦争の開催を宣言する」と。しかも絢人と紗矢を参戦者に指名したのだ!
謎に包まれた魔術と魔術師。
紗矢は一体何者なのか。
魔道戦争とは何なのか。
そして巻き込まれた絢人の運命は━━━!?
◆設定の都合上、2019年4月の日本の架空の都市が舞台です。コロナ前なのでご注意下さい。
◆長編作品です。ストックのあるうちは毎日更新、尽きれば不定期更新になります。完結まで書き上がっておりませんごめんなさい。
◆1話あたり2500〜4000字程度。少し幅があります。
◆ひとまず、なろう限定での公開になります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-10 20:00:00
255531文字
会話率:46%