主人公の赤木 陽(あかぎ はる)は、10歳で自らその命を絶った。
理由は偏に両親からの育児放棄と暴力。自分が愛されていないことを悟った少年は、来世に思いを馳せ、ビルの屋上から10m下の地獄にむけ旅立つ。
来世はどうか────愛される人間
になれますように、と願って。
同じ頃、別の世界において。今死にゆこうとしている誰かが願った。
誰でもいい。力を授けよう。だから────私の叶えられなかった願いを叶えてくれ、と。
かくして自殺の少年は、「英雄」の願いを受け、異世界へと召喚される。
そして目覚めた少年に手を伸ばしたのは、
「魔女」と呼ばれる少女だった。
この世界では人類の敵とされる存在、異種族の一端である「魔女」が、本来ならば人類の希望となるべき「英雄」の力を受け継いだ少年をひろった。
そのあってはならぬイレギュラーは人類、異種族両方の現状を揺れ動かす。
そしてただ1つ、自分を愛してくれる存在を願った、次の「英雄」は異世界に何をもたらすのか。
これはそんな英雄譚である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-31 23:00:00
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