この小説は、もともと「しあわせエントロピー」という題名で私のブログで公開していた作品を改訂したものです。実は、この「さなぎだに1人」が原版で、「しあわせエントロピー」は改訂版のような位置づけでした。「さなぎだに1人」を執筆中に長くなりすぎた
ことなどを理由に大幅に編集してブログにアップロードした作品が「しあわせエントロピー」でした。ブログにも書きましたが、この小説は乃南アサ氏が作られた「いつか陽の当たる場所」に触発されて書きました。
「さなぎだに1人」の主人公の松田紗月は河北大学医学部を卒業して同大付属病院の第一内科医師として働いていたが、幾つかの経緯の後、同病院第一外科で看護師をしていた楠田聡子を刃物で刺して殺人未遂罪で懲役6年の判決を受けて服役します。そして、在監中に教誨師として刑務所を訪れていた増井諒順という尼僧と知り合い、彼女の助力を得て更生保護法人日本仏教団体連絡会更生保護会が運営する更心寮という更生保護施設に身柄を預かってもらいます。彼女は何とか社会復帰をはかろうとしますが、就職先の確保に手こずったりして思うに任せません。特に自分の事件が顔写真付きでインターネット上に公開されていることを知って大きなショックをうけます。それからも彼女にとっては辛い出来事が続いて、ついに北海道の釧路にある虔稜院という寺院に住むことになりました。そこにいるのが渡辺順照という尼僧、彼女の姪という触れ込みの四藤実加子という女性でした。沙月は虔稜院でようやく心安らぐ日々を手に入れます。しかし、沙月と共に暮らすようになった四藤実加子が余命短いがん患者であることが分かります。そして、そして、物語の終盤になって、沙月は実加子の死に立ち会い、更に実家の家族全員が既に死亡していることを親戚の叔父から聞かされます。そして、さらに東京に戻った時渡辺順照も死去してしまいます。彼女はこれが私の人生と悟って平凡に生きていきます。
執筆意図を問われると我ながら分からないというのが率直なところです。なお、作中に出てくる人物は全て作者が考え出した名前です、また、釧路市内の文物については実在のものも含まれていますが、それは舞台設定に具体性を持たせたいと思って書いたもので、他意があってのことではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-31 12:36:29
345830文字
会話率:36%
看護師として働く桐谷 奏は、恋人の谷塚健二を訪ね、冬の北海道にやってきた。そこは都会暮らししかしらない奏には、創造もできないほどの田舎で、スマホも使えないほどだった。はたして彼を見つけることはできるのか・・・
最終更新:2017-12-24 19:00:00
1994文字
会話率:30%
「中出しは実存だ」
文を書き残し、
空世(そらよ)に入る千葉県船橋市の男。
北海道釧路市に住む一人の母も、
空世「キラメキDaughters(ドーターズ)」に入りぬ。
わが子を取り戻すために。
神よ、慈悲の心があるなら、
彼らを影から
支え給へ
本編キラメキDaughtersに登場する女を中心に、
「子」を取り戻す話。
※ キラメキDaughters
http://ncode.syosetu.com/n3783dh/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-11 12:14:21
59619文字
会話率:58%