『――くんに盛大な拍手を! いやーおめでとう! 我が校から未来の巨匠が誕生といったところかねぇ! ははははは!』
とある中学校。体育館の壇上に立つ彼はこれまでにないほどの高揚感、誇らしい気分を味わっていた。胸に抱える賞状には市の絵のコン
クール大賞の文字が。そして背中のスクリーンいっぱいに彼の絵が映し出されていた。
マイク片手に誇らしげにする校長に肩を叩かれ、恐縮する彼。全校生徒の拍手が肌にビリビリ響く。あとで揶揄されることを気にし、ニヤけまいとするも頬は緩む。そして下半――
『いやー、立派な猫だ。あれだろ? エジプトのやつだろう? いい抽象画だなぁ。さあ、もう一度盛大な拍手を!』
校長がそう言った瞬間、ライターの火を手で撫でるような、そんな心の揺らぎを彼は感じ、渦巻く拍手もどこか遠くのことのように思えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-21 19:00:00
1671文字
会話率:53%
週に一度、練習を兼ねて400字詰め原稿用紙一枚前後で短編小説を書いております。長編のワンシーンを切り取ったようなイメージで書いているので、様々な世界を覗き見ていただけたらと思います。
はてさて、今回は、掃除をしていたら小学生の頃の賞状を見
つけた“青年”の物語――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-05 18:00:00
361文字
会話率:0%
審査委員長 佐間崖 林太郎
この度、審査を通った作文42篇の審査に当たらせて頂きました。
どの作文も小学生らしい、明るさと素直なものな多く、心があたたまりました。
その中でこちらの作文に特別賞を与えるということは異例なことと思わ
れるでしょう。私自身、創作性が強く、家族というテーマから逸脱していると感じましたが、最後まで読み、なるほどと思いました。
素直になれない、少年が照れかくしに創作を交えて書いたものなのです。少年が兄に感謝を伝えたい気持ちが私の胸をうちました。誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。家族という近しい人だからこそ、照れてしまい素直に感謝を伝えられないことを。
ぜひ、賞状と一緒にお兄さんに作文をよんで聞かせてあげてくださいね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-17 18:06:31
2941文字
会話率:0%
「神宮真治は全日本超能力大会にて優秀な成績を収めたのでこれを賞す。これからも精進してくれ」
と、ただの薄らハゲは言った。
「あなた、私の護衛になりなさい。私、強い奴は好きよ」
と、銀髪をたなびかせる少女は言った。
どちらの言葉を
受けてどんな行動を起こせばいいのかは、考えるべくもなかった。
賞状なんて鼻をかむくらいの価値しかないのだから。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-11-18 19:26:15
89406文字
会話率:40%
私は品川駅近くに住む作家だ。日課の散歩をしていると、妙な女性に出会った。
最終更新:2009-12-02 20:53:16
1104文字
会話率:42%