軽度のうつ病で通院していた男性が「心不全」で急死した。奇妙なことに、同じクリニックでは他にも2人の患者が急死していた。いずれも症状は安定し、薬の量は増えていた──不可解な共通点があった。
調査の結果、製薬会社「セントラル・ファーマ」が関わ
る“治験薬”の存在が浮かび上がる。未承認の薬「レクシオンα」──それは、人の意思を奪い、精神を支配する恐ろしい薬だった。
「治験成功報酬」「改ざんされたデータ」「消された命の声」──人知れず、医療の名の下に命が奪われていたのだ。
検察官・八雲ユイは「人の意思は誰にも奪えない」と信じ、狂気に満ちた闇の真相に迫る。しかし、その先に待っていたのは、医療の進歩の名のもとに隠された、より深い闇だった。
罪は暴かれなければならない。
たとえ、その声が、誰にも届かなくても──。
◉登場人物◉
◆ 八雲ユイ(やくも ゆい)
冷静かつ論理的な検察官。感情に流されることなく、冷徹な判断で事件に挑む。だが、その胸には「声なき声」に耳を傾ける優しさがある。
◆ 加賀見裕也(かがみ ゆうや)
東大法学部出身のエリート弁護士。皮肉屋で現実主義だが、情に厚い一面を持つ。「人は間違い続ける生き物」と達観し、ユイとは対照的な視点で事件に関わる。
◆ 月影ルカ(つきかげ るか)
人の「闇」を嗅ぎつける検察官。ユイを狂信的に愛し、彼女のためなら命も投げ出す狂気を秘める。
◆ 藤堂誠司(とうどう せいじ)
「聖樹メンタルクリニック」の院長。治験薬「レクシオンα」を投与し、「治療のためには犠牲が必要」と信じる冷酷な医師。
◆ セントラル・ファーマ
「治験はビジネス」と言い放ち、治験成功のために死者を“データ”として消し去る巨大製薬会社。
静かに消された声を、誰が暴くのか──。
罪の闇に挑むユイの戦いが、今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 16:19:55
1625文字
会話率:33%
警察を辞めて私立探偵として生計を立てていた北条 みこと(ほうじょう みこと)のもとに、新年早々に政治家である守倉(もりくら)議員の不倫調査が妻である守倉夫人から依頼された。当初は簡単な不倫調査のはずだったが、調査対象の政治家が謎の変死を遂
げる。
守倉議員の葬儀で、北条の警察時代の上司であった梶 雄三(かじ ゆうぞう)とひょんな事件で知り合った警部補の町沢 健斗(まちざわ けんと)と再会した。事件を調査していくうちに変死した政治家の黒い影となる暴力団・唐津組(からつぐみ)が見え隠れしていることに気が付く。さらに、守倉議員の不倫相手が唐津組の構成員でもあったことも判明した。やがて北条は唐津組の活動に首を突っ込むことになる。
同時に、守倉議員変死の裏には警察に圧力がかかっていたため、事故死として報道された。北条はかつて自身が警察を辞めるきっかけとなったのも、自身が担当した事件が警察上層部の圧力によりもみ消されたことであった。
守倉議員変死の調査に躍起になっている中で、今度は守倉議員の長男が自宅で殺害された。さらに、守倉議員の義理の息子でもある徳地(とくち)議員までもが講演会先のホテルで殺害された。だがこの2つの事件は犯人に繋がる証拠が出てこなかったため、捜査は難航した。それとも、この事件も警察に圧力をかけた結果、事件をうやむやにする魂胆なのか。
警察が当てにならないと悟った北条は、やがて単独で一連の事件の調査に乗り出すこととなり、守倉議員の愛人に接触を試みる。町沢も、唐津組推進による薬事法改定が事件の大きなカギを握ることに気が付き、科捜研を巻き込んだ捜査を単独で始めた。
事件の解決として、守倉一家殺人事件の犯人、唐津組の組長、警察に圧力をかけた人物、警察の内通者の4つの人物を同時に割り出すことにある。さらに、登場する人物全員が裏の顔を持っているため、敵味方の区別がつかず結末は予測不能である。
誰が一連の流れの主導権を握っているのか。さらに、随所にちりばめられた伏線が事件解決のカギを握っている。それは些細なメッセージのため、誰もが見過ごしてしまうが、事件の主導権を握っている人物は一つとして逃してはいなかった。
果たして、北条はこの厄介な人間が集まるのかで、厄介な事件を解決できるのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-16 17:25:33
142050文字
会話率:59%
薬事法の改悪は、どうにかならないのかな?
最終更新:2016-05-10 05:51:46
221文字
会話率:0%
その名前も藤原薬子。性別は女性。年は三十九歳。歴史上の著名な女性と同姓同名だがそれはたまたま。彼女の仕事は薬剤師。しかもただの薬剤師ではない。一筋縄ではいかない薬剤師。密命を帯びた派遣薬剤師。これからはじまるのは、彼女の華麗? な薬剤師スト
ーリー。
彼女を取り巻く医療従事者の人間模様、社会関係の話です。用語ですが特に解説はいたしません。出てくるのは、病院、調剤薬局、製薬会社、大学院、官庁、いろいろです。薬剤師は実はいろいろな場所にいます。目だたないけど縁の下の力持ち。それぞれの人間関係模様を書いていきます。また小説という体裁をとっているので、事実とはかなり違うこともかいています。実際あった話でも当人の性別や年齢、実際の性格など変更していますので、ご了承ください。要は小説として楽しんでいただけたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-10 05:20:32
106884文字
会話率:39%
容姿容貌に加えて性格までもが歪んでいる二十歳のOL美香は、ある日雑誌の片隅に奇妙な広告を発見する。騙され半分で「美人薬」という怪しい薬を、鳥居カブトと名乗る不振な自称薬剤師から購入した。薬の効果とその副作用により、美香の運命は大きく作用され
ていくのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-31 20:04:39
1941文字
会話率:41%