【迷宮都市】で冒険者として生きるレオ=アルブスは迷宮の中に存在する魔物をパーティーと共に倒し、生計を立てていた。
"七星輪廻"
レオがリーダーを務めるこの七人パーティーは、レオを除いて全員が何百年に一度と呼ばれ
る天才だった。
若手最強と呼ばれるこのパーティーメンバーは一癖も二癖もある変人ばかり。
そして何より、何かと理由を付けてレオを『よいしょ』する。
「凄い!」「流石です!」だけで済めば良いが、パーティーメンバーの度を越えた『よいしょ』にレオは日々悩まされることになる。
「アァン!?テメェ、レオくんに対して図が高ェんだよ!死にてぇのか?死にテェよなぁ!?ほら、謝れよ!レオくんと同じ空気吸ってごめんなさいって地べたに頭擦り付けて必死に謝れよ!!……あ、レオくんはそこで見ているだけでいいからね…?何も心配しないで、全部私がやるから!」
レオが絡むと性格が豹変する幼なじみの『勇者』。
「レオちゃんは呼吸が出来て偉いわね~」
レオの全ての行動を肯定し、甘やかし、褒め称える姉の『回復職』。
「それで金等級?レオならお前に影すら踏ませないぞ……?」
レオを世界最強と疑わない自称ライバルの『盾役』。
「ボクは裏方でいい。君が後世に残す英雄譚で、英雄を支えた一人になるのがボクの夢なんだ」
レオを英雄と呼び、心酔し、レオの行動全てを本に書き記し、後世に残そうとする『支援職』。
「神を愚弄する気かッ!!!彼ほどの人格者はこの世に存在しない!!誰にでも優しく、平等で、慈悲深い。君たちは理解しているのか!?君たちが目の前にしているのは生き神だぞ!!」
レオを神と崇め、深く信仰するパーティーで一番闇の深い『弓士』。
「私はレオ様に助けて頂きました。私が望むのはレオ様の幸せ唯一つ。貴方の快適な人生のためなら私は身を粉にして働きましょう。どうかお座り下さい、私が着替えさせますので」
おはようからおやすみまでレオを生活をサポートする『サポーター』。
望むのはノーストレス。胃薬を片手にレオは今日もパーティーメンバーの『よいしょ』に悩まされる。
レオは平穏な日々を手に入れることは出来るのか。
はたまた、胃に穴があくのが先か……。
怒涛のドタバタ冒険コメディ─────開幕。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-28 00:00:13
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