西暦2219年
人類は宇宙で戦っていた。
20年も続く戦争は、人類をゆっくりとだが滅亡へ向かわせていた。
幾多の命、幾多の星が散りながら、人類は尚も戦い続ける。
「生き残る」
ただ、それだけの為に。
戦いに疲弊し、徐々に滅亡へと向かいつ
つある人類が取ったのは、一か八かの大博打だった。
敵の中枢に突入し、戦争を終わらせる。
絶望的な戦いの中で、戦う一人の兵士が居た。
ジョセフ・マードック軍曹。
幾多の仲間を失いながらも、戦場を駆ける彼を人はこう呼ぶ。
「不幸な死神」と。
涙を失い、輝きを失ったその瞳で、彼は今日も戦い続ける。
これは、後に「人類史上最高の英雄」と呼ばれた彼が、英雄と呼ばれるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-03 06:33:26
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会話率:33%