「元・大神官リヒト・スメラギを国外退去処分とする」
最下層のスラム出身にもかかわらず、若くしてグランアルス帝国の大神官に抜擢されたリヒト。ところが大神官の重要性はいつしか忘れ去られ、ついには皇帝デュオの意志によって役職じたいが廃止されてしま
う。最後まで命令に背き大神官の重要性を訴えていたリヒトは、国家反逆の疑いをかけられ国外退去の憂き目に遭う。
しかし、彼の主張はすべて真実だった。精霊に祈りを捧げるという大神官の仕事は形式的なものではなく、帝都全体を魔力で満たすために必要不可欠な儀式だったのだ。リヒトを失った帝都は精霊の加護を失い、魔力が供給されず大混乱に陥るが、すべては後の祭りだった。
いっぽうリヒトは、行く先々の村で人助けをしたり、帝都からの追っ手を軽く返り討ちにしたりと、気ままな旅を満喫する。精霊の力を自在に操れる彼は、最強の魔法使いにして超一流の騎士でもあったのだ。やがてリヒトは、精霊の導きによって辺境の中立地帯へとたどり着く。リヒトの元には、皇帝での妹でたぐいまれな美少女のナナステラを始め、信頼できる仲間と優秀な人材が続々と集まってくる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-04 17:00:00
34483文字
会話率:40%