異種族交配。
禁忌に手を伸ばした人類が生み出したものとは。
そして、生み出された彼が求めたものとは。
最終更新:2023-02-19 21:33:43
5741文字
会話率:30%
異世界への転生。
それは思いがけずに突然訪れる不可避な出来事である。
高校2年生の百目鬼天斗(どうめきてんと)は生粋のゲーオタである。その日も前夜遅く(ほぼほぼ完徹)までゲームをしていて遅刻であった。
登校中に同じく遅刻してきた中
学の頃からの先輩2人に捕まり、3人連れだって校門をくぐる。
現在改築中の本校舎に代わり、仮設校舎となっているプレハブの建物から2人の生徒が出てきて、彼等の方へと向かっている。一人は雷牙の小学生の頃からの親友で、今雷牙と一緒に登校してきた先輩の内の一人の弟でもある。もう一人は雷牙の家とは隣りどおしで家族ぐるみで付き合いのある幼馴染の女の子だ。2人とも雷牙と同じくクラスの同級生である。
担任に、遅刻した雷牙を連れて来るように言われたらしく、2人は怒りながら雷牙の方へと向かっていた。
空が裂けた。裂いたものは光。
突如として空を切り裂いた光の中から闇が出現した。
空を覆う様に膨張する漆黒の闇。
その闇は周辺に存在する全ての物質を分け隔てなく飲み込んでいった。
雷牙も、先輩も、親友も、幼馴染も。
続けてプレハブの仮設校舎と改築中の本校舎も。
学校の敷地内に存在する全ての物を飲み込んで、光も闇も、その存在は消えていった。
失っていた意識を取り戻し、雷牙は目を覚ました。
彼を出迎えたのは、先輩でも、親友でも、幼馴染でもなく、緑色の小さな鬼達であった。
親しげに彼へと向かう鬼達。そんな鬼達を拒絶する様に突き出した己の腕を見て彼は驚愕する。
彼の腕もまた、鬼達と同じ緑色であったからだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-01 21:29:40
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会話率:38%