幕末が終焉を迎えたばかりの明治時代。
麻布の花街にいる姉のもとで下働きをしている結(ゆう)は、とある理由で遊郭を訪れてきた異国人ソウゴ・フォン・レーベシュルフと出会う。
日本語を自在に話すソウゴはドイツからの留学生兼通詞として、期限
付きで横浜居留地のイギリス公使館に勤める事になっていた。その世話役として結を横浜に誘うソウゴは、その意味をよく分かっていた。
異国人の相手を務める情婦は『らしゃめん』と呼ばれ蔑まれている。あくまで世話役だったとしても、ソウゴと生活をする事は結もそう陰で呼ばれる事となる。分かってはいたが、結に対する想いを止められなくなった。
一方の結はソウゴの優しい言葉と日本に対する想いに惹かれ、横浜居留地へ行く事を決意する。それが結という少女の一生を決定づける想いだったとも知らず───。
幕末より少し経った明治時代初期の横浜居留地を舞台に、異国の青年と日本の少女が互いを想い合いながら過ごす一年間のお話。
【過去に別名義で同人誌として発行した作品を改稿したものです。特に同人誌版には掲載していたR18部分をネトコン12用に大幅に改稿。時代考証なども頑張っていますが緩く捉えていただけたら幸いです】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-20 23:54:25
119511文字
会話率:44%