長岡“大蔵卿法印”幽斎。嘗て“細川”姓で足利・織田・羽柴家に仕え、現在は家督を譲った隠居人である。茶道・蹴鞠のみならず囲碁・猿楽・料理など幅広い分野に精通し、中でも和歌に関しては当代随一の人物として知られていた。
慶長四年〈一五九九年〉
一月、公儀に無断で家康が諸大名との間で婚姻を結んだ事に端を発し大坂・伏見で武力衝突の可能性が高まる中、前田家の縁戚と徳川家への忠誠で板挟みになる忠興へ、自らは伏見へ参ると宣言する。
翌年に勃発した天下を揺るがす家康と反家康の戦いで、幽斎は家康に従軍する忠興に代わり領国を守るべく丹後へ入る。文化人で知られる隠居人風情に何が出来る。敵味方が疑問視する中、幽斎はある秘策があった――!!
◇第104回オール讀物歴史時代小説新人賞応募作品(一次落選)◇
〇『小説家になろう公式企画・秋の歴史2024』参加作品〇
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-28 19:30:00
35686文字
会話率:34%
かつて猿楽(能)師が居を構えたことでそう呼ばれた神田猿楽町は、後に書籍の取次店や古書店が軒を連ね賑わったが今はすっかり様変わりしビルが林立する街に。そんな中で数十年暖簾を守り続けている寿司屋から主人の昔話が聞こえてくる。本が好きで本の力を信
じる主人にとって古書店・家伝文庫は記憶から消えることのない大事な思い出だ。世阿弥の教えに心酔した書店主は能にまつわるあらゆる関連の本を天井までの棚に詰め、世阿弥のごとく手変え品替えその本たちの面白さを後世に伝えようとしていた。しかし店主が亡くなると無情にもその古書たちは建物の瓦礫ごと撤去され、そのことで成仏できない店主は亡霊になってしまう。大切にしてきた古書たちへの無念、書籍離れした現代への憂患はやり場がなく、やがて亡霊は昔話に呼ばれるかのように寿司屋に現れる。「あんたの店があったところを通るたび手を合わせるんだよ。ここ神田猿楽町一帯には本たちの怨念が天然ガスみたいにプスプス燻ぶってるからね」そう話す寿司屋の主人は書店主の亡霊から自分の人生を認められ、あらためてこれまでを振り返る。しかし長年心がけ実践してきたものは、実は世阿弥と同じ表現奥義を無意識に身につけているのであった。
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最終更新:2023-10-19 16:49:07
13058文字
会話率:0%
「飛翔する神楽 龍田姫追想」で取り上げた能「龍田」の成立背景を考察しました。
最終更新:2020-10-18 23:48:51
2310文字
会話率:0%
突然荒れ始めた国。
鎮静化に乗り出した自国防衛軍。
事態は終息に向かったかに見えた。
しかし、その裏には別の意志が隠されていた。
ボクサーてして栄光を手にした主人公に絡みつく宿命。
最終更新:2012-09-14 14:12:26
825文字
会話率:0%
山の麓に住む少年の話
最終更新:2012-09-06 14:48:14
1031文字
会話率:18%
たまたま見かけた光景に突然巻き込まれていく。
最終更新:2012-08-27 14:05:44
1509文字
会話率:23%