春、四月。高校生になった皆守紘(みなもりひろ)は、学園に向かう途中で、白銀の少女パンドラに出会う。
「シャロンをたすけて!」
連れて行かれたのは、とても現実とは思えない場所――暗雲がたれこめ、無数の髑髏がちらばり、悪鬼羅刹が跋扈する黄金の異
世界だった。
そこにいたのは月光の涼やかさと、月光を映しとる鋭刃の凄絶さを、相矛盾することなく兼ね備えた《傲慢の狩人》カイン。そして彼に嬲られる《矜持の騎士》シャロンだった。
シャロンの奮闘もむなしく、カインは少女ふたりを殺害する。そのさまをただ見ているしかできなかったヒロは、思いの丈をただ叫ぶ。
「誰かが死ぬのは――もう嫌だッ!」
「……なにィ!?」
少年はずっと祈っていた。願っていた。彼になるまえからも、彼になってからも。あまりに儚く、あまりに浅ましい理想を、ずっと抱きしめて生きてきた。
その祈りが、少女たちの命をよびもどす。
三人はちからをあわせ、激戦のすえにカインを打ち破る。
黄金の世界は消え、現実の世界が還ってくるかに思われたが――。
「ありがとう。そして、初めまして。あとはそれから……ようこそ、かしら。騎士さま」
世界はここから変わる。
本作は「高坂悠貴」名義において重複投稿されています。重複投稿先についてはtwitterアカウント(https://twitter.com/SinShockJack)でご確認ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-04 20:14:52
121274文字
会話率:36%
高校二年生の橘 悠斗は卓球部のエース。しかしその卓球馬鹿ぶりに部長から一日卓球禁止命令を出されてしまう。
そんな理由で友と彼女のいる文芸部に立ち寄った悠斗は古書に満ちた図書準備室で二人を待つことに。
古書の中を散策中、悠斗はある和綴じを手に
取る──
"菊"もしくは"涼やかさ"をテーマにした短編の集い「夕涼み重陽会」参加作品。
ちなみに私はどちらのテーマも盛り込みました。
「夕涼み重陽会」詳細はコチラ↓↓
http://mypagek.syosetu.com/mypageblog/view/userid/541354/blogkey/1228822/
※「MEMENTO MORI」のもう一人のユウトくんを主人公に据えた完全スピンオフですが、思い切り本編のネタバレを行っておりますので、「MEMENTO MORI」をお読みでない方はぜひそちらから読んでいただけると幸いです。
もちろん本編を読んでいなくてもわかる構成にしております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-09 09:00:00
8560文字
会話率:39%