癒やしの奇跡を持つ聖女セシリアは、教会の奴隷として育てられた。
奇跡の力を己の欲望を満たすために利用しようとする大人によって歪んだ洗脳教育を施され、教会に都合のいい道具として成長してしまったのである。
そんな聖女に近寄るのは自称聖職者の汚
職神官だけではない。
もし綺麗な物語であるならば救いのヒーローとなるべき王子様すら、聖女の力と名誉を利用しようと邪悪な計画を練っている有様。
苦しみも痛みも『それは幸せなことだ』と教え込まれて育った聖女は、そんな地獄を地獄と理解することすらできない。
ただただ聖女らしく、慈悲の笑みと共に傷ついた誰かを休みなく癒やし続ける日々であった。
そんな少女を憐れに思うのは……国家の頂点に君臨する年老いた王ただ一人である……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-05 12:11:15
25740文字
会話率:29%
かつて癒やしの聖女と呼ばれた少女、クルシャナは魔女の汚名と共に火炙り処刑の沙汰を受けることとなった。
処刑を宣告したのは、かつての婚約者テリウス第一王子。彼は癒やしの奇跡を散々利用し、クルシャナを使い潰した挙句恋人ができたからと婚約者を疎
ましく思い排除しようとしたのだ。
そんな王子の暴虐に、周りは誰も文句を言わない。家族も国も国民達も、みなクルシャナの力の恩恵を受けてきたのに、皆が皆口を揃えて処刑に賛同し声高に磔にされたクルシャナへと石を投げつける。
生まれたときから癒やしの奇跡を搾取され続け、ついに力を使い果たした彼女のことなど、もはや役に立たなくなった不気味なゴミとしか彼らは思わない。
人生の全てを彼らの幸福のために使い潰されたクルシャナは、しかしそんな彼らを恨まない。
家族に罵倒され、婚約者に裏切られ、民から石を投げつけられても彼女の中に他者を恨むという考えは浮かんでこない。
生まれたときから道具として使い潰すことを前提に洗脳されてきた彼女には、他者を恨むという概念すら与えられることはなかったのだから。
その考えは、数多の冤罪を押しつけられ火炙りにされてもなお最後まで変わることはなかった。
――それが万人に通用する思想ではないことを、最後まで知ることなく彼女は死の間際まで『最後の命令』を遵守する――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-08 12:08:35
13036文字
会話率:29%
今日も始まりの合図が鳴る
皆同じ方角を向け
最終更新:2021-11-08 22:12:27
263文字
会話率:0%
現代にはびこる洗脳教育を糾弾する作品。
最終更新:2017-03-27 06:00:00
1064文字
会話率:8%