インケリは外見が美しくはないと両親に疎まれている。
そんな彼女の心の拠り所は、商人である父親が経営す貸し馬屋の馬の世話である。
紳士階級の人間が使う店ではなく、荷物を引く馬として貸し出されているので、インケリには毎日虐げられている自分と重な
ってしまうのだ。
「羨ましいな。俺の世話もしてくれないか?」
インケリは雷に打たれたようになってしまった。
彼女の目の前には、麗しすぎる金髪碧眼の男性が立っているのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-17 00:59:43
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会話率:35%