周囲を原始菌の樹海に囲まれ、空を天蓋に覆われた街、姶良(あいら)。この常闇の街に生まれたら、外の世界へ出る事は絶対に叶わない。
姶良の高架下貧民街で暮らす少女カリンは、ある日、姶良の街を治める宗主一族の少年、サクと出会った。サクは、樹海の向
こう、天蓋の上を目指しているのだという。共に来て欲しいというサクに、渋るカリンだったが、彼の『仮説』を聞いて天蓋の上を目指すことを決意した。
果たして、天蓋の上にはどんな世界が広がっているのか――
蟲が大好きな少女カリンと宗主一族の放蕩息子サクが、常闇の街「姶良」を抜け出し天蓋の上を目指す歯車世界のガール・ミーツ・ボーイ。
2015年1月、完結しました。
続編→ 「冒険少年とエルフの姫」http://ncode.syosetu.com/n6743cr/
☆マークつきの話には、himmelさま(http://1432.mitemin.net/)よりいただいたイラストが入っています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-29 21:42:43
114304文字
会話率:31%
どちらか選ぶ機会を与えてもいいと、その白い少女は言った――。
この世界は無数の歯車の集合体である。歯車一つのあるなしで、その“ずれ”は過去と未来へ向かって波及する――気がつくと“わたし”は一面を歯車で埋め尽くす場所にいて、その場所の管理者
を名乗る少女にそう聞かされた。外れた歯車を拾った彼女は、それを元の場所に戻すかどうかについて、“わたし”の意見を聞きたがっているようだった。
歯車を戻せば、“わたし”には歩ける足があって、死別した妹のいる過去がある。歯車をはずせば妹は生まれてすらこない。代わりにいるのはやさしい弟とかわいい姪――わたしはどちらを選ぶべきだったのだろう。
初出:缶じうす195(2014年)
http://scribentes.m22.coreserver.jp/?page_id=811
他サイト:青空文庫 http://slib.net/36727折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-04 17:08:57
22783文字
会話率:52%