砂漠の果て、小さなオアシスに寄り添うように存在した小国。
民に愛され、民を愛した王と、ただ一人その帰りを待つ王妃。
やがて戦の命が下り、王は「必ず帰る」と誓いを残して去る。
そして――国は砂に飲まれ、民は去り、オアシスは枯れた。
それでも
、王妃は待ち続ける。
ただ一つの約束を信じて、塔の上から沈む夕陽を見つめながら。
名もなき者の愛は、時を越えて、なお消えない。
古の楼蘭王国を下敷きに描く、ひとつの祈りの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 21:05:06
11670文字
会話率:6%