現実より多くの人々が野球に熱狂し、男女問わずプロの舞台にさえ飛び込む別の現代。
埼玉県の公立強豪校で一応ショートのレギュラーだったものの全国的にはまるで無名の選手だった月出里逢(すだちあい)は高校3年の秋、野球への未練を完全に断ち切る為、
分不相応だと自覚していながら敢えてプロ志望届を提出し、その年のドラフト会議の日を迎えた。テレビの前で同年代や大学・社会人の有名選手が次々と指名されていくのを溜息交りに眺めていたが、六巡目で逢はまさかの指名を受ける。
逢を指名したのは、日本球界12球団で"最弱"と名高い天王寺三条(てんのうじさんじょう)バニーズ。そして逢の指名を促したのは、かつての高校球界のスター投手で、現在は女子大生でありながらバニーズのオーナーも務める三条菫子(さんじょうすみれこ)。1学年違いの逢と菫子はお互いたった一度だけ練習試合で対戦したことがあった。
体格に恵まれず、実績的にも本来なら指名に値しない逢だったが、実は人間離れした身体能力を持ち、そして、その身体能力さえも霞む程の類い稀な才能を秘めていた。菫子は逢の破格の潜在能力を見抜き、球団再建に加え、ある別の目的の為に逢を引き寄せたのである。
これは、実力も精神もまだまだ未完の大器である月出里逢が、幾多の困難を乗り越え、やがてとある怪物投手と共に"史上最強"と謳われるまでの英雄譚。
(1~3日に1回くらい?のペースで1回2000文字前後くらいを予定)
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最終更新:2023-03-09 07:00:00
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大阪パイレーツの野球選手である三加野大輝(みかのだいき)は高校時代に甲子園で大活躍し、鳴り物入りでプロ野球界に入ったものの、ルーキー時代にしかも初戦で三振の山を築き、あえなく二軍に落ち、それからというもの二軍のスタメンはおろかベンチを温めて
いた。
不甲斐ない毎日を暮らしていたところ、夜中に宅配便が来て、その郵便物はDVDが入っていた。大輝は生まれたころからICチップに組み込まれた人生を送っていることが分かり、DVDによる回想シーンで振り返り、そして今後の人生の選択を決めることになるのだが・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-02 18:32:38
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