「私は誰か」
夢で誰かがそう問いかける、そんな夢が何度も、何度も繰り返す。猫田緋月はその奇妙な夢に対し、焦燥の念を抱きつつも誰にも話せず仕舞いだった。
そんななか世間を震わすひとつの事件が存在していた、俗に言う無差別連続殺人である。
「今日もまた殺された」
2日から4日の間隔で流れるニュースに緋月も内心恐れつつ少し慣れてしまった。
しかし、そんな日常も本当は恐ろしく脆いものなのだろう。次に起きる事件によってまもなく恐ろしくも平穏ではあった緋月の日常も崩れ去る。
この物語はそんな緋月の不思議で恐ろしい非日常を描いた物語である。
初めての投稿ですので、あまり慣れておらずまた内容も稚拙かもしれません。
どうか暖かい目で見てください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-05 17:53:33
3833文字
会話率:64%
長編です。完結しました。
よろしくお願いいたします。
※※※
ルカにはたくさんの記憶がある。ルカとして生まれる前のたくさんの記憶。一つや二つではなく数えきれない程のそれらは、全て十歳になる前に命を終えてしまうものばかりだった。
今回に
限って初めて十歳を超え大人になったルカは「人として普通に生きる」事が苦手なまま、戸惑いながらも自分を必要としてくれる人たち─────家族や従妹のニーナ、年下の友人クオンたちの為に生きようとする。
だが、欠けた記憶の一部がルカの精神を蝕み始め、ルカは生きる意味を見失い始める。
忘れてしまった記憶は何か。転生の記憶を持ち続けるきっかけになった出来事は何だったのか。「月の食べ方」を教えてくれたのは一体、誰だったのか。それらを思い出せれば、壊れることなくルカとして生き続ける事が出来るのか。
自分を見守るニーナやクオンの想いを受け、ルカは自分の中に眠る「最初の記憶」を探り始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-17 15:25:30
101666文字
会話率:31%