ゴシップ雑誌のライターである小柳京)介は、ある日、新宿の事務所で刺されたうえ、財布を奪われる。一命を取り留めた京介は、安全のために居場所を転々と移動させながら、助手の高見沢祐真とともに細々と仕事を再開した。
一方、京介の妹で売れないアイドル
である朝霧莉子は、兄である京介が刺されたと知ると、協力者であるコウ君の助けを得ながら、兄の行方を探しはじめる。
そんなある日、京介は財布の中に忍ばせていた取材の極秘資料を材料に、犯人から脅迫される。犯人との取り引きに応じようとする京介と、兄を追う妹。そして、京介を刺した犯人の行方を追う田所刑事。
……という展開で話は進むが、最後の最後に、事件はまったく異なる構図だった事実が明らかになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-28 07:00:00
118130文字
会話率:27%
東北地方の大学の寮でアメリカ人流学生マイク・ニューコープが首吊り自殺をした。マイクの机上にはベラスケス作「ラス・メニーナス」の複製プリントが残されており、紙面にはマイクの字で「pond」と書き込まれていた。日本語日本文学科准教授で学生部長の
主人公ボクは、マイクの死因を調査するチームの中心メンバーに学長から指名され、学生や教職員の事情聴取を進める。その過程で「ラス・メニーナス」のさまざまな解釈が浮かび上がり、絵そのものと「pond」の書き込みがマイクのダイイング・メッセージであったことが確実になっていく。果たして、彼の死は「ポンド=池」と関わりがあったのか。それとも――。そして「ラス・メニーナス」が差し示すものとは。ボクが事情聴取を行っている折、ボクの先回りをして聞き込みしている人物がいることが明るみになる。それは誰なのか。やがて、その人物とボクは|対決《・・》することになり、その場はマイクの死の驚愕の真実へと行き着く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-29 15:04:50
29273文字
会話率:65%