CE2118年 月面の天文観測施設 [ 嫦娥天眼 ] において、はちぶんぎ座 方角より太陽系に接近する恒星間天体 [ 8I/2118 OH ] が発見される。
その後実施された S-VLBI観測によって判明した その天体の形象実体は、直
径4.1km、延長3.95光年(37.4兆km) の 極超長柱状剛体 という 現状科学では説明が不可能な超常的物体であった。
ウーシア(Oυσία) と名付けられたその天体は、物理学的にあり得ない恣意的な軌道を描き、しかし 明確に「地球」に向かい進行していた。
膨大な観測データを基に 人工知性「伏犧( Fuxi )」が出した予智推計は、3,120日後の地球到達と南極点付近への超遅速衝突、それにより引き起こされる 地殻崩壊 と上部マントル層の地表露出。
そして 最終的には、人類を含めた既存生物種の99.78%の死滅 であった。
日常社会の 世界規模での崩壊に直結する これらの情報は、巧妙に歪められ、膨大なフェイク情報と混在する形で 計画的に 公表-拡散され、かろうじて 世界の 平穏な日常を保っていた。
この 明確な意図に基づく 状況歪曲の陰謀の裏で、意図を計りかねる 不可解な状況が 密かに進行していた。
・ 2031年に その存在が正式に認証され「 オブザーバー (観測者) 」との名称で分類されている 不可触飛翔体 との接近遭遇事例の急増。
・ 国際機関により 1920年代より監視が続けられている 特異人類「永存者」の目撃地域の極端な広域化。
・都市伝説と云われていた 幻の拡張空間ゲーム「 匿神回生 ( Reclaim Deity ) 」データによる 空間情報汚染の拡散と、データ接触者の 不可解な死亡・失踪事件の多発。
・ 思想観念体系の違いにより、今まで一切 関係性を持つことが無かった 四つの 信仰系 ”有意超常技能保有” 組織による 不可解な共同プロジェクトの胎動。
( その裏で動く “ホルダ” と呼ばれる 謎の人物 )折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-03 12:02:17
3493文字
会話率:22%
言霊。とは、言葉に内在する霊力の事である。
あらすじ
舞台は近未来歴2034年11月。日本、神奈川県平塚市。
この作品はMRゲームソフト『ワードスピリット・オンライン』で遊ぶプレイヤー達の物語である。
仮想空間とはVR、バーチャ
ル・リアリティ。
拡張空間とはAR、オーグメンテッド・リアリティ。
その2つの複合空間がMR、ミクスト・リアリティである。
このゲームをプレイするのに必要なのは3つある。
・メガネ型MRゲーム機 《テンジョウ》
・スマートホーン型ドローン 《スマドロ》
・リレーバトン型コントローラー 《バトコン》
これらを100京分の1センチの《ナノテクノロジー》ならぬ、《アトテクノロジー》が下支えしている。
この現実とデジタルが複合された世界で、プレイヤー達は現実の大地を踏みしめ歩き回る!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-26 20:36:53
16879文字
会話率:56%
AIの創り出すVR(仮想空間)やAR(拡張空間)の発展した時代に、世界中で最も人気なVRコンテンツのレジェンダリーズ。
人々の生活のすべてに浸透するAI社会において、レジェンダリーズの提供するオンラインゲームは授業に取り入れられるほどの大人
気振り。
そんな時代に生きる、ちょっと正義感が強くて負けず嫌いの女子高生の鴨山翼には、どうしても勝てない男がいる。
女性のことをまるでゴミでも見るように毛嫌いする女嫌いの同級生、新海清夜。
女嫌いのはずなのに、翼にだけはちょっかいを出す清夜に対し、まるでアリジゴクに掴まったアリのような心境になる翼。
ゲーム内でもゲーム外でも巻き起こる、勝つか負けるかの二人のラブバトル!?
勝つのはどっち!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-14 22:55:20
66645文字
会話率:42%
地球から遥か辺境に位置する宇宙ステーションは、地球から情報も物資も届くのに1年半かかる、『閉ざされた世界」であった。そこに地球からの定期船が到着した。いつもより大規模な船団にステーション側でも何やら、ただならぬ気配を感じていた。
突如発表
されたのは、地球からの大船団は、地球には戻らず、この地に滞在するという「永久滞在宣言」だった。ただ、この大船団には定期船の通常人数程の人しか運ばれておらず、あとは様々なデータ、様々なエネルギー資源プラントだけだった。
それは、母星である地球が、消滅してしまう、惑星間の大事件が起こったからだった。消滅が予想
されてからは、大気圏突破もままならない状況となり、大気圏外に存在した有効なプラントやデータパッケージを最大限に積み込んだ船団を、宇宙ステーションに向かう定期船に何とか合流させて、ギリギリの状況での「人類の遺産」をここに「疎開」させたということだった。
地球人類からの遺言として、また地球人類からの希望のバトンとして、残しうる限りの情報データを受け継いだ宇宙ステーションは、ここに新たな宣言を行うために、秘密のオペレーションを行うことになる。
しかしながら、その事を宇宙ステーション統治部では、宇宙ステーションの住人にすぐには伝えず、様々な準備が出来るまでは、その事実を公表せずにおくことを決めた。地球はすでに消滅しているにもかかわらず、地球へ戻る定期船は予定通りにステーションから出航する。定期船に課せられたのは、隠蔽工作だけではなかった。「逆因果」理論を証明させるチームも同乗していたのだった。
辺境のさらなる辺境の地にある宇宙ステーションが、残された辺境のみの存在となった「全人類の希望」となりうるために、何が必要なのか、何をすればよいのか。それを掲載しながら考えていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-15 17:00:00
2791文字
会話率:34%