人のふりをした神だと言われるような時代の異なる二人の天才が、実は同一人物だったとしたら?
愚かなことに、当時の私は最後の最後までその可能性にも思い至りませんでした。まさか、転生などという夢物語があるなど考えてもいませんでしたから。
です
がよくよく考えてみれば、魔法の実在が証明されたのですから、転生があっても何ら不思議もありません。
そういうところが、私が頭が固いと言われる原因なのでしょうね。
さて、天才は死んで生まれ変わっても天才で、その面倒くさい性格まで変わらぬようです。
かの方は、またもや世界を変え暴れ散らかしてゆきました。昔から、片づけは絶対にしない人でしたから、今更ですね。
私はその弟子として、これからその後片づけをしなくてはなりません。
ですがその前に、かの方の行状記の続編を書かなくては。まさか人の生涯の始まりから終わりまでを描いた行状記のその続きを書くことになるとは。
題はどうしましょうか。『女神の再来』とでもしておきますか。
かの方のことですから、また数世紀後にどこかに生れ落ちていそうですね。そのときは必ず見つけ出して、貴方であることを見破って、今度こそはアインの名を呼んでもらわねば気がすみませんよ。
おっと、長くなってしまいましたね。
それでは、私の師がまたいつか目を覚まされるのを願って。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-20 20:00:00
9703文字
会話率:17%
この物語に続きはない。
彼らには物語もない。
もし君がこの物語を読んで、何かを感じたというなら......。
頂上に何があるのかだけ、気にしていてほしい。君ならすぐに気付くことができる。だからこそ、下にいる彼らのことは忘れて、それだけを考え
てくれ。
きっとそれが、彼らへの救済だから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-06 11:27:35
4723文字
会話率:37%