「あなたのお屋敷に鏡はないのかしら?」(訳:鏡を見て出直してきてくださる?)
社交界の花と呼ばれるコリンナ・シュタルクは、差し出された手をとることなくそう告げる。
私を口説くつもりがあるなら身分なり容姿なり頭脳なり、とにかく何かひとつは秀
でて釣り合うものを持っているべきだ、と。
何一つ釣り合うものを持っていない男はこうしてばっさり切り捨てられるのだ。
そうしてコリンナは間もなく十八歳になろうとしているが、未だに婚約者がいない。コリンナのうつくしさを考えればそれはおかしなことだった。
「私は可愛い可愛い可愛いエミーリアのために、『シュタルク公爵家の令嬢は迂闊に手を出せない高嶺の花だ』って印象づけたいだけよ!」
社交界の花、高嶺の花といわれるコリンナ・シュタルク。
その中身は超がつくシスコンだった。
可愛い妹のため、ギリギリまで高嶺の花を演じるコリンナのもとに兄からひとつ提案がくる。
友人のグレーデン侯爵と、形だけのお見合いをしてくれないか、と。
世話焼きシスコン令嬢×研究者な変わり者侯爵のお見合いからはじまる恋物語?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-26 17:56:24
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会話率:36%