ヴァイオリニストを目指していた少女、雨宮時音は、腕を痛めたまま出場したコンクールで視線恐怖症になってしまい、それ以来楽器に触れられずいた。
進学先の高校で図書委員になった彼女は、七不思議の一つである「閉鎖書庫の奇術師」の噂を聞く。――彼
の奇術を見たものは、奇術が忘れられずに閉鎖書庫に何度も通ってしまう。そして最後には、初めて書庫に入った時とは別の姿で現れる――
そして彼女は、閉鎖書庫の奇術師、杉崎奏杜に出会う。彼の正体は一つ年上の図書委員長だった。図書室に舞い込む事件を、奏杜は優れた洞察眼で解決していく。
これは少女が奇術師と過ごした、嘘を巡る時間の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-28 22:37:57
3862文字
会話率:32%