ある雪の降り積もる朝、伯爵子息カーティスはなくしものを探しに森へ出かけた。
その森で彼は小さな少女を見つけた。
華奢な身体を覆う艶やかな長い銀の髪。濃蒼色の瞳。
その少女はフェリシアと名乗った。
フェリシアは何故か人間嫌いで、カーティスのこ
とも誰も信用しない。
気遣って温かい言葉を掛けても、冷たくあしらうばかり。
そして、彼女は寒い場所を極端に好む。
暖かい屋敷に招き入れようとすれば、眼を怒らせ激しく拒否するのだ。「私は厳寒のあの森でないと生きられないのだ」と。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-28 16:32:35
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会話率:25%