私ことアルシャ=カンポは既視感を覚えた。降って湧いた妄想か、それとも未来視か。
とりあえず、保安隊長官の次男坊マリオとのラブラブ密売ルートは回避しよう。
本来であれば、私には役目があった。
義姉であり親友のハピナ=ルチアルノの恋路を邪魔され
ないようにすることだ。
主犯であるマリオと共に、お酒密売ルートへフェードアウト。我が身の破滅で、ハピナへの恩を返してオシマイになるはずだった。
でも、そのルートを回避した未来も知っている。文字通り力ずくで切り開いても振り出しに戻るのである。
待て待て、「強すぎた」からニューゲームって何さ!?
マリオとくっつかなかったと思ったら、なぜか敵対する予定だった犯罪者ギルドの若頭ジョセフ=プロフに惚れられて……。
ハピナや私自身を救うだけに限らず、国を裏から支配する未来さえありそうな予感。
少女は力と繰り返しの記憶を持って、奮闘する。定まらぬレールから脱線するために。
親友に、ハピナに、嬉し涙以外は流させない!
誓いを胸に、少女達は愛も富も名誉も手に入れられるはずの未来へと向かう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-16 13:06:10
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会話率:33%