見上げるほどの大樹と国家には、共通点がある。長い時を経れば経るほど、内部が腐ってくるのだ。
千年続いたその国家も、官は腐り民は疲弊し、斜陽の時を迎えようとしていた。
そんな王国の中心地、王都に一人の若い男がいた。彼の名は、ファンオウ。
地方領主の三男坊として、医学を修めつつ暮らす彼の元へ、一つの報せが舞い込んだ。領主一族が病死を遂げ、ファンオウは領主として辺境へと赴くこととなる。
この物語は、のほほんとした医師領主ファンオウが殺伐とした世界へ癒しを齎す、そんなお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-04 15:03:39
456243文字
会話率:54%
迷宮都市チープ・タウン。そこは、冒険者たちの命の値段の安い、くたびれた町。一枚の銅貨のために、死んでいく冒険者たちを揶揄して名付けられた町。
そんな冒険者たちの命を救うため、最前線で診療を続ける男がいた。彼の名は、ミアズマ。調薬をなし医術を
たしなむ彼の元へ、一人の患者が運び込まれてくる。
これは、チープ・タウンで活躍するちょっとひねくれた医師ミアズマの物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-21 02:40:28
8318文字
会話率:62%
年端もいかぬ子供を、死なせてしまった。医師フォルシスには、消えない心の傷が刻まれる。それが癒えきらぬうちに、フォルシスの元へ一匹のフクロウが現れる。フクロウは、一人の赤ん坊をフォルシスへと託す。
篠崎鈴奈は、不運な女子中学生だった。父親と
うまくゆかず、意気消沈して登校する途上で不慮の事故に遭い、短い人生を終えた。そんな彼女がやってきたのは、死後の世界。神様を名乗る青年が、鈴奈に転生をさせてくれるという。鈴奈はそれを受け入れ、異世界へと転生をすることに。
不器用な二人が、転生によって新たな絆を得て、互いに癒し合う。これは、そんな物語である。
※この連載は、全四話を予定しております。ゆっくりとお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-30 16:58:01
29620文字
会話率:54%