ジュリアスティア――ジュリアは、六度前の人生を〝救世の聖女〞と呼ばれる少女・ハルミアとして生きた記憶を持っていた。ハルミアが六度の転生をする理由――それはかつて愛し、独りこの世に残してしまった魔王に、もう一度出逢うため。
けれど、神より七つ
の徳と引き替えに彼女へ与えられた転生の機会は、今世を除いてあと一度きり。しかしその転生をしてしまえば最後の徳である愛を失い、魔王への愛も失ってしまうのではないかと気付いてしまう。
これは、かつて悲恋で終わってしまったお伽噺の結末を、六度目の今世こそ〝めでたしめでたし〞て成就させようと決意する、とある元聖女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-04 06:00:00
19718文字
会話率:25%