フランセットは公爵家の令嬢として生まれ、同じ歳である王太子殿下の学友に選ばれ城に上がることとなった。周囲からは婚約者候補だとして妬まれ、様々な嫌がらせや犯罪まがいの妨害行為を受ける。
実際には二人の間に恋愛感情も婚約の事実もないのだ
けれど、「優しい王子様」である王太子殿下から本来の婚約者の身の安全を図るため、身代わりの盾になって欲しいと頼まれてしまう。
王家からの要請を断るわけにはいかないと、護身術を覚え身を鍛え、様々な妨害ににも屈せず毅然と立ち向かうフランセット。「強く逞しい女性」という評判に応えるため、恐怖を押し隠してでも必死で拳を握り、周囲の誰かを守るためなら決して諦めずに戦い続けるのだ。
己の責務を果たさんと必死で努力を重ねるフランセットを、ずっと影から見つめ続ける男がいた。彼女がその役目から解放された時──立場上、隠さざるをえなかったその想いが溢れ出したのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-24 22:04:15
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