俺の名前は、麻生やなぎ。
高校二年の男子で、彼女も友だちもいない、いわゆるぼっち生徒の一人だ。これといって趣味は特にないのだが、幼い頃から強い霊感を持ち、日常茶飯時幽霊を視て過ごしてきた。
霊を視ることになれてしまった俺は無論驚かず、ま
た複雑な家庭事情もあるため、いつの間にか寡黙でつまらない、ひねくれた青年となっていた。
しかしそんな春の深夜、俺は驚くほど怖くない悪霊と遭遇し、取り憑かれてしまうこととなる。とあるお願いをされると同時に。
――それは、コトダマと呼ばれる物体を四十四個集め、無事に天国へ導くこと。
こうして始まった、一生に一度のとんでもない高校生活。いつも独りで生活してきた俺の青春時代は、この一匹の幽霊――カナによって大きく変えられてしまうのだった。
主に笑いあり。時に涙あり。そして心霊ありの物語が、嫌々ながらスタート。
念のため最初に言っておくが、これはコメディーであって、決して笑い話のみではない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-15 00:05:44
600500文字
会話率:41%