少女は望まれぬ生を受けた。
四大名門魔術家系の一つ――フォルトバイン家。
家名の名誉と威厳が失墜しかけており、邪道の名門家系である久世家に起死回生の法を授かる。
その法とは、母体に異形の血肉を埋め込み子を孕ませるという人道を踏み外したもの
。禁術によって生み出されたのが、銀色の髪と紫色の瞳を有した少女――アレッタ・フォルトバイン。
アレッタは家畜のような生活を強いられ、父親から愛されずに魔術師としての魔力増幅の実験に疲弊する毎日。
十歳のある日、父親から親子の縁を切られ家を追い出されてしまう。行先も無く、頼るべき相手もいない。そんな中、自分に名前を付けた医師の誘いに乗って訪れたのは、シェルシェール・ラ・メゾンと呼ばれる父も属する世界最大規模の魔術組織を運営管理する東洋人の青年の屋敷だった。
彼は柊春成と名乗り、人里離れた山奥に一人、花の楽園に住んでいる。アレッタは選択した、彼と共に過ごす事に。
柊との出会いが、後に最高位最強の魔術師と呼ばれる将来が確約された。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-14 21:04:43
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会話率:44%