生きることの苦痛から逃れようと、マンションの屋上に立った少女ーー黒川語《くろかわかたり》。その自殺を止めたのは、余命がマイナスだと口にする、一人の幽霊だった。
死にたがりな少女の自殺を止めるために、幽霊は一つの言葉を吐く。
『君の時
間をくれないか?』
余命ゼロの少女を導く、余命マイナスの幽霊。幽霊が少女を導く先には、死にたがりだった少女が知らない生きる楽しさがあった。
限られた時間の中、摩天楼を介して一つに結ばれた二人が、最後に見た景色とは。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-21 07:00:00
35247文字
会話率:54%