冬。空に月が浮かんでいた。
毛皮で守られていた体から、頭髪を除いて毛が抜け落ちた。
剥き出しになった皮膚に驚き腕を見つめれば、己が普段に無い姿勢で地面に座り込んでいると気づく。
己の姿を見回せば、これはいつかみた、人間というものの姿に似てい
る気がした。
※平安時代っぽい世界。※京都弁っぽい言葉が多いです。
※単独で読めます。※短編『春の花』『夏の蝶』『秋の風』と繋がりがあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-16 12:07:22
5199文字
会話率:25%
ある秋の日。コトは甥の屋敷を訪れた。
心地よい風。庭の木々が揺れ、色づいた葉が舞い降りる。幼い子が遊んでいる。
懐かしい昔を思い出した。
「雅俊さん。あんたのお母さんな、生前、不思議な事を言うてはったんよ」
※平安時代っぽい世界。※京
都弁っぽい言葉が多いです。
※単独で読めます。※短編『春の花』『夏の蝶』『冬の月』と繋がりがあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-14 22:44:42
2064文字
会話率:42%
ある夏の日。チョウは町で買い物を。
「うらめし、や・・・うらめし・・・」
露台にならんでいる美しいかんざし。
なんや、けったいなもん(意訳:変わった妙なもの)ついてるわ。
※平安時代っぽい世界。※京都弁っぽい言葉が多いです。
※単独
で読めます。※短編『春の花』『秋の風』『冬の月』とつながりがあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-14 12:11:32
4490文字
会話率:37%