――トサッ
ゴングの音に遠く及ばないそのかすかな音が、あの悲劇の始まりの合図などとはその時、私たちの誰も思いもよりませんでした。
「お、おい、原口。そ、それ」
「……ふっー、出しちゃおっかな……本気」
「いや、そんなの外した
って大して変わらないだろ!」
「どれどれ、お、おもっ!」
「嘘つけ! クソ軽いじゃねーか!」
「はははははっ、でもちょっといいなぁ、なんつったけそれ」
「アンクルウェイトだろ。うちにもあったかなぁ」
「ウエイト? ウェイト?」
「どっちでもいいよ。ま、この重さじゃ全然だな」
「てかあいつ、足遅!」
「はははははははは!」
体育の時間。校庭。五十メートル走のタイム測定。原口くんがおもむろに足首から取り外したそのアンクルウェイトを目にしたクラスの男子たちはそう言って原口くんをからかっていました。
でも、それから三日後の体育の時間のことです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-13 11:00:00
2793文字
会話率:88%
交通事故に遭ったライトノベル好きの僕。
目を覚ますと、そこは見知らぬ空間だった。
きっと僕もこれから異世界に転生し、勇者主人公となってハーレム無双ライフを送れるのかもしれない。
そう思っていた時、一人の黒いメイドの少女が現れた。
そして彼女
は僕に、ひとつの「異世界転生試験」を課した。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-22 08:50:37
3774文字
会話率:18%
どこの小学校でもある体力測定。その四年三組の五十メートル走で教師の武田がとんでもない提案をする。「男女でトーナメントを行い、タイムが一番よかったものに給食のデザートのイチゴジェラートを渡す。だが男子の下位四名はイチゴジェラートが食べられない
」。全員が燃えるなか、三年のときの学年記録保持者国見翔は、クラスでトップに立つことに燃えていた。自身の誇りとイチゴジェラートをかけた負けられない闘い。男子十六人、全四回戦。一体どのような死闘が繰り広げられるのか。八城さんの超傑作「絶対に負けられない闘いがそこにはある」のサブキャラクター、国見翔に焦点を充てたサイドストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-30 16:10:03
14509文字
会話率:40%