そこは砂砂漠(すなさばく)だった。
気温は熱かったが湿度は乾いていたため苦痛ではなかった。そんな場所での出来事だった。
目の前には1人の女性が居た。
それは美しい女性だった。
長い髪をなびかせ、ドレスアーマーを身に着ける。
けれど、仄暗い黒
い目をしている。
手には槍が握られていた。
「貴方を愛してます」
それは告白だった。
女性は照れくさそうに笑い、今か今かと俺の返事を待っていた。
「答えはNOだ」
俺は手に持っていた剣で彼女の心臓を突き刺す。
「がっ・・・」
「悪いが、俺が愛してる女性はお前じゃないんだよ」
剣を強引に力で回転させて心臓へのダメージを増やす。そうしてから剣を抜くのだった。
「げほっ」
彼女は喀血する。
そして、その場に倒れこむのだった。
乾いた砂漠には彼女の血が実に良く染み渡る。
「これで30・・・」
俺は呟いた。
血塗られた剣をしまう。
そして自宅へと帰るのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 09:12:31
125080文字
会話率:52%
「五十六番。これをつけて外に出なさい」
「……はい」
とある国の刑務所。死刑囚である彼は、看守に言われるまま、小窓から投げ入れられた黒い目隠しを手に取った。震える手でそれを装着する。
ガチャリ――独房のドアが開く音が響いた。
「立
つんだ。さあ、そのまま歩いて。おっと、大丈夫か?」
膝ががくんと折れ、よろけた。
看守の声に促され、彼は独房を出て廊下を歩き始めた。ごくりと唾を飲み込む。独房の外の空気は、どこか乾いていた。視界が遮られたせいか、慣れて気にもしなかったはずの刑務所の匂いが妙に鼻を刺す――古びたコンクリートの湿気、どこかこびりついた錆臭さ。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-08 11:00:00
2427文字
会話率:40%
朝起きると、体の乾きを覚えた。
絞れる程の寝間着と、身体中の痛み。
だから、無味の甘露を得ることにした。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
いつもの半分くらいしかない、『短い小説』
です。
自分でもびっくりしてます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-12 07:37:27
490文字
会話率:0%
とある世界の南側
精霊の国と人の国が隣り合う世界
精霊の国の泉の番人スイレンは近づく精霊王の息子リーヴァイとの婚礼を前に婚約を破棄されてしまう。彼に寄り添うのは夜露の精霊ドロシア。
「まあ、わかってたけど。遅かったくらいよね」
スイレン
の心は乾いていた。更に追い打ちをかけるように、番人としてのお役目も外され聖域からも追放を命じられてしまう。
「じゃあ、俺ん家来ない?」
幼馴染の大地の精霊グラントリーと共に人の国へ行くことを決める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 18:00:08
22357文字
会話率:56%
何となく結婚し、
何となく幸せな日々を過ごし、
何となく乾いていた日々に、
気づいた時には転げ落ちていく男の姿。
最終更新:2019-08-08 02:34:25
898文字
会話率:8%
穂希は乾いていた。学業、部活、青春、どれも全て充実していた。一番にはなれないけれど、無難なテストの順位。エースと呼ばれることは無いけれど、上手と言われるくらいの身体能力。彼女はいないけれど、異性の恋人にしたいランキングではそれなりに。
そ
ういう充実が退屈過ぎた。劇的な変化をもたらす起爆剤を心底から願っていた。
故に、彼の趣味は読書であった。それもこの時代では風化してしまったファンタジーや神話、伝説、そういった空想でしかない虚偽にまみれた物語をこよなく愛した。
だからだろう。あまりにも渇望し過ぎた穂希の願いを受け入れた神が、一般人である彼を超人、魔人、神人と呼ばれる化け物の住まう裏の世界へと案内したのは。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-17 17:14:33
21168文字
会話率:38%
男はガラクタを持ち帰り庭に積み上げていく。女は最高の物を探して世界中を飛び回っている。老人は答えを求め、黒服の男達から逃げている。メガネは孤独にキーボードを叩き続けている。フロントの若い男性は穏やかに笑っている。どこかの国の大統領はボタンを
押したがっている。住民達は議論している。この星の大地は乾いていた。潤いを欲していた。雨が降る。雨が降り続ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-17 23:33:04
20789文字
会話率:36%
世界は乾いていた。渇いていた。
最終更新:2015-03-08 22:51:50
222文字
会話率:0%
大学美術部で知り合った男女四人。誰が最も乾いていたのか。
彼らのただれた関係。唯一変化の兆しはフェルメールの作品によって現れた。
誰でもよかった。男でも、女でも。そんな悪食の男と、それを取り巻くどうしようもない大人たちの7日間のできご
と。
FL掲載作品保存用。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-09-30 12:18:39
20505文字
会話率:34%
小学生の銀蔵は、喉が乾いていた。
最終更新:2012-10-02 10:12:16
3733文字
会話率:28%
砂漠で男は乾いていた。そうカラカラだった――
最終更新:2010-10-05 06:00:00
1571文字
会話率:25%