──ただの村娘に、何ができるのだろう……──
風見ヶ丘に住む少女、雪姫(ゆきひ)は十七歳の誕生日をむかえ、札納(ふだおさ)めという成人の儀式を受けるために都へ行くことに。儀式は無事に終了し、その帰り道。迷い込んでしまった離宮で若草の
皇子、疾風(はやて)と出会う。
訳あって離宮に追いやられていた疾風と、しばらく都に滞在することになっていた雪姫。二人は友達となり、親交を深めてゆく。その中で明かされる彼の秘密に、少女は衝撃を受けるのと共に無力を痛感する。そして意外な形で訪れてしまった別れの日。雪姫はせめてものお守りとして疾風に一振りの小刀を贈り、再会を約束しあった。
それから一年後……
各地である災いがもうすぐ降りると予言された。疾風との出会いを通して大きく変わった雪姫は、それを唯一防ぐことができるという伝説の人物、氷姫(こおりひめ)捜しの旅を決断する。
果たして少女は氷姫を捜し出し、災いを防ぐことができるのか。また、疾風との再会は本当に叶うのか……
氷姫を捜す雪姫の物語。友情と成長、そして恋の青春付き和風ハイファンタジー。
◆もう少し詳しいあらすじ◆
雪姫が札納めを終えてから一年後のある日。風見ヶ丘の大巫女から「大寒気を呼ぶ災いの霜『白き闇』がもうすぐ降りる」との予言があった。人々が動揺する中、北国から雪姫の母親を訪ねて使いがやってくる。
使いによると、『白き闇』を唯一防ぐことのできる強力な霊力を持つ『氷姫』の行方が分からなくなっているため、薄いながらも同じ血を引いている雪姫の母親に同じ力があるのではないかと、望みを懸けて訪ねてきたのだという。
しかし、同じ血を引くと言えど、母親にも娘である雪姫にも、氷姫のような力などあるはずもない。やはり、白き闇を防げるのは氷姫だけ……そう思っていた雪姫の頭に、ふと一年前のとある記憶が蘇る。
それがきっかけとなり、少女はついに自身が氷姫を捜し出そうと決意する。
ちょうどそこに居合せていた旅芸人の二人組──実は隣国の皇女である幼夢(ようむ)と、彼女の相棒である佳月(かげつ)を仲間に加えて、雪姫の氷姫捜しの旅が始まったのであった。
◇目指すは大人も楽しめる児童文学!
◇登録ジャンルを変更しました。(ファンタジー→童話 ※作品の内容が中高生向け児童文学のため童話に変更しました)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-19 19:38:31
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会話率:37%