長さの基準が世界を統べる王の足の大きさだった時代。
測量に関連する魔法は総称してジオメトリーと呼ばれていた。
そしてジオメトリーの使い手は観測者と呼ばれ、パンドラの箱から解き放たれた魑魅魍魎を唯一封印出来る存在でもあった。
時にトレミー86
8世の治世。数多の観測者が王の足の大きさが長さの基準である事に満足する中、世界を測ろうとする者達が現れた。王が代わる度に長さの基準が変わってしまう呪縛から、世界を解き放つ為に。長さの基準を王の足の大きさではなく、悠久の時の中でもっと変化しにくい物、すなわち世界の大きさにしてしまおうと考えたのだ。
世界屈指の観測者として名高い大魔導士ユークリッドも、そんな者の一人だった。彼はある日突然、行方をくらませた。弟子のアリス・タルタルにこれから世界を測るとの置手紙を残して。一人置き去りにされたアリス・タルタルは、湖で出会った女神、エロメス・トリスメギストスからオリハルコンのものさしを授かる。そして師匠と同じく、世界を測る旅に出る。しかしそれは前途多難な道。果たして世界は測れるのだろうか。そして世界を測るとは、一体どういう事なのだろうか。
※エブリスタにも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-14 22:03:54
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