僕は物心ついた時から自分は将来立派な大人になるんだと信じて疑わなかった。本の中の主人公のように格好良く、歴史に名を馳せるような立派な大人に。しかし、あることがきっかけでその自己概念は崩壊し、跡に残ったのは不幸な自分しか愛せなくなる、いわゆ
る不幸中毒者になった僕と砂のような味しかしない退屈な毎日だった。そんなある時、僕は行きつけの図書館でどこか不思議な雰囲気を放つ女の子、すずと出逢う。彼女は情報収集が目的でこの図書館に来ていると語った。そして、紆余曲折あり、すずの情報収集を手伝うことになるのだが、その過程で僕は衝撃の事実を知ることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-01 21:16:11
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会話率:29%