留学中のカハルは、家督を継ぐため帰郷する。子爵家の唯一の生き残りとなったらしい。しかし、七年ぶりに訪れた屋敷は、もぬけの殻だった。さらに従者達が裏切り、一文無しになってしまう。
数か月も待てば王都から伝令が戻り、状況を立て直せるはずだ
。それまで生き延びるには、日銭を稼がねばならない。働き口を探すが、伝手も才能もないカハルは、誰からも相手にされない。
失意のどん底で町をさまよい、行き着いた川原で奇妙な夢を見る。そこで手に入れた異能力は、他人の思考を誘導できるものだった。単純な魔法しかない世界で、異能力は想定されていない。思いのままに物事が進み、嬉々として理想の世界を目指すが――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 10:40:00
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会話率:40%