【以前投稿した短編『追放された元男爵令嬢ですが、今はマタギやっています』の全三話完結連載版です】
「伏せてっ」
唐突に聞き覚えのある声が辺りに鋭く響いた。本能的にその指示に従い、その場に這いつくばった瞬間、頭上を掠めるように次々と七条
の赤い閃光が迸った。髪の毛が焦げたような嫌な臭いが辺りに充満する。恐る恐る顔を上げると、先程まで涎をたらして血走った目で俺を睨んでいた魔獣の頭蓋は無惨にもすっかり……止めておこう。とりあえずしばらく肉料理は食べられそうにない。
「は~間一髪で間に合って良かった。あら、近衛兵のゴードン様じゃないですか。お久しぶりですね! 私、王国から追放されたルイズですけど、覚えていらっしゃいますか? 今はマタギをやっているのですが……」
国外追放された俺の尋ね人が、聞いたこともない職に就いていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-20 20:46:05
16740文字
会話率:56%