(タイトル変更しました。旧タイトル『リナリアの花が咲き歯車は廻る』)
神々が存在する世界にあるラクノッス王国は、昔々神に背いた罰として化け物を与えられた異質な国だった。その化け物は、離島にある巨大迷宮に閉じ込められており、数年に一度、若
者を生贄として化け物に捧げる決まりがある。
国の中でも訳ありの一族に生まれたフランカの不幸は、後に生贄として選ばれる、国の宰相の孫娘アルビナと瓜二つであった所から始まったといえよう。四歳の時にアルビナの身代わりとして生贄になるよう命じられ、七歳になると、アルビナを最愛の人だという第三王子テオに身代わりの婚約者となるよう強制される。
普通ならば、身代わりとして生きるしかない己に失望することだろう。十七歳での死を約束された呪われた人生に絶望するしかないはずだ。
………そう、普通であれば。
だが、平凡という文字を無意識の内に踏み潰して歩くような令嬢フランカにとってそんな出来事など、どこ吹く風。
彼女は今日も、運命の日に備えて一心不乱に剣を振る―――化け物と戦い、生贄の仲間達と共に生きて家族の元へ帰るために。
別名:M疑惑のある不憫ヒーローが最強クールヒロインに振り向いてもらうまでの成長物語。もしくは、最強一族による盛大なざまぁ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-03 02:29:42
73132文字
会話率:28%
「クロリンダ、きみは聖女失格だね」
クラウディオ王太子は冷たい口調で言い放った。
聖ラピースラ王国では代々、聖女が王太子と結婚してきた。
アルバ公爵家は聖女が生まれる家系。しかし姉のクロリンダに聖女の力はなく、聖魔力を持つのは妹のレモネッ
ラだった。
「きみこそ聖女にふさわしい。レモネッラ嬢と婚約することをここに宣言しよう!」
しかし――
「私は聖女なんかになりたくないわ!」
聖女になりたくない妹と、妹を聖女に仕立てたい姉。そのわけは?
これは、自立した人生を選びたいと願った少女が、自分だけでなく次の世代の女性たちの幸せについて考え始めた結果、罪を犯してでも悪しき伝統に立ち向かっていくお話です。
※リアル寄りのアンシャンレジーム社会では全く!!!ございませんので、ファンタジーとして軽い気持ちでお楽しみ頂けると幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-26 11:00:00
11373文字
会話率:43%